※約1年前の大会のリポートです※
2012年8月4日、Starcraft:BroodWar(以下BW)で実施される最後の大会となったTving OSL 2012決勝戦の様子をお伝えします。今更という気もしますが、私自身BWが無くなったという現実を受け止めるのに非常に時間がかかりました。ようやく過去として懐かしめるようになってきたので記事としてまとめました。
2012年8月4日。BWでの最後の公式大会となるTving OSL 2012決勝戦が開催されました。約13年間の歴史に終止符を打つことになるこの決勝戦、当初はもっと小規模な会場での開催を予定されていました。ですが発表するや否や規模の小ささにファンが反発、急遽大きな会場に変更されたというエピソードがあります。それを反映するように、当日会場周辺では午前6時頃から入場チケットを求める人達で埋め尽くされていました。それもそのはずで、この決勝戦ではレジェンドマッチとしてイムヨファン[SlayerS_Boxer] vs ホンジノ[YellOw]の試合も予定されていて、正にBWの始まりと終わりが存在する特別な空間だったからです。BWファンなら誰でもその場にいたいと思うような、そんな最高で最後の決勝戦でした。
レジェンドマッチ
イムヨファン[SlayerS_Boxer](T) vs ホンジノ[YellOw](Z)
Map : Fighting Spirit
http://www.youtube.com/watch?v=3ZAbH2dOXnI
以下より写真です。
↑試合開始前のステージ上で笑顔の3人。イムヨファン[SlayerS_Boxer] は4 Union時代の、ホンジノ[YellOw]はKTF MagicNs時代のユニフォーム着用です。
↑いよいよレジェンドマッチがスタートで会場も大盛り上がり。
↑ブースの中の2人。こうやってまた2人がプレイしているのを見るだけで感慨深いものがあります。
↑試合はホンジノ[YellOw]優勢で進みます。
↑Team Liquidの皆さんも観戦しに来ていました。奥にはおなじみのArtosis+Tastelessも見えます。
↑ホンジノ[YellOw]のUltraliskの軍団でGG!チャット欄ではイムヨファン[SlayerS_Boxer] が「まだやるじゃん」と一言。
↑試合後は伝説のコンダンスを2人で披露。(動画は35:00頃~)
(※コンダンス…ホンジノ[YellOw]がファンミーティングで披露した場を盛り上げる為に踊ったダンス。それがインターネット上で拡散されると次々とパロディが作られ、一躍?有名なダンスとなりました。※参考動画はこちら(3:12~))
決勝戦
ホヨンム[JangBi](P) vs チョンミョンフン[Fantasy](T)
オープニングはこちら(オープニング~全試合~エンディングまで収録)
エンディングはこちら
2人のダンスで?会場の熱気も最高潮に。そしていよいよ本日のメインイベントである決勝戦の幕が開きました。前回Jinair OSL 2011と全く同じ対戦カード、ホヨンム[JangBi](P) vs チョンミョンフン[Fantasy](T)です。会場は超満員で、普段なら使用しない座席までも開放しているのにも関わらず、床に座って観戦しているファンまでいる程でした。チョンミョンフン[Fantasy]が昨年の雪辱を晴らすのか、それともホヨンム[JangBi]が史上初のプロトス2大会連覇を達成するのか。2人が繰り広げる最後の戦いを見届けて下さい!
Set 1 < Neo Ground Zero >
http://youtu.be/2084_JRNYFU
Set 2 < New Sniper Ridge >
http://youtu.be/TJi-AIXDu6k
Set 3 < Neo Electric Circuit >
http://youtu.be/OoPG9gwgFmQ
Set 4 < Gladiator >
http://youtu.be/h-gFSD-nICI
以下より写真色々です。
↑恒例の決勝戦スタートを告げるチョンヨンジュンキャスター。
↑チームメイトを応援する両チームの選手達。
↑Team Liquidの皆さんと遊ぶバンキー。
↑プロトスファンが待ち望んでいたキャリアーが登場!!!
↑会場は超満員です。最後の最後までこういった状況でした。
↑表情からもこの決勝戦に賭ける思いが伝わってきそうです。
↑スターガール・チェウネと共に。
↑チョンミョンフン[Fantasy]のニックネーム「テロリスト」にちなんで、ビンラディン風な落書きを作成中のファン。
↑試合の合間にはバンキー+ティンキーのダンスショーもありました。
↑実況解説にも熱が入ります。
↑最終戦の行方を固唾を呑んで見守ります。
↑ホヨンム[JangBi]優勝!!!チームメイトからの勝利の胴上げ!!!!!
↑チョンミョンフン[Fantasy]、リベンジならず。ホヨンム[JangBi]は史上初のプロトス2大会連続優勝という記録を打ち立てました。
↑画面には「愛していますスターリーグ」というファンからのメッセージが。最後なのが本当に惜しいです。
↑BW最後の優勝者・ホヨンム[JangBi]!!勝利のトロフィーキス。
↑OSLの解説実況を担当してきた3名。下は最後の挨拶中にうつむいて涙を堪えるキムテヒョン解説員。10年以上BWと共に歩んできた彼らにとっては、言葉に出来ない思いがあるのだと思います。
↑舞台上には歴代選手達が勢揃いして、最後のお別れをしました。
最後に
BW最後の大会はホヨンム[JangBi]選手の優勝で幕が閉じられました。Carrierから始まったこの戦い、Dark Templar、Shuttle+Reaver、Arbiterと、プロトスの戦い方を見せてくれた試合でした。ただ勝つだけではなく、プロトスという種族が持つ力を誇示しての優勝と言えるのではないでしょうか。1年以上過ぎ去った今見てもこんなにも面白く、そして感動できるとは思いませんでした。
私はBWが大好きでした。
イヨンホ[Flash]の人間離れしたMarineコントロールが、イジェドン[Jaedong]のモニターを刺すような眼差しが、Tankの群れを一掃するキムテギョン[Bisu]のZealot爆弾が、けたたましい音を上げながらGoliathと戦うソンビョング[Stork]のCarrierが、ベテラン選手が使う古いオーダーに翻弄されるルーキーの様子が、寝る間を惜しんで試合に向けて準備する選手達が、会場に鳴り響く太鼓の音とファンの声援が、絶叫に近いキャスター達の実況が、そのどれもが大好きでした。
日本ではもう存在を知る人すらごく一部になってしまったBWですが、素晴らしいゲームだった事、多くの人に愛されていた事、E-sportsという文化を生み出した事、そしてStarcraft Times誕生のきっかけだった事を、ここに日本語で記録して残しておきたいと思います。
2010年頃のスランプ時代「負け王」というあだ名まで付けられ一時はどん底にいたホヨンム[JangBi]選手。そんな彼がその後JinAir OSL、Tving OSLと2冠を達成するその姿は、私に大きな勇気を与えてくれました。2度の優勝の瞬間に立ち会えたことをとても光栄に思います。数々のドラマと名試合をありがとうございました。
先日引退を発表したホヨンム[JangBi]選手へこの記事を捧げます。
nok @ Naoka Hatada
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