NVIDIA主催のゲームフェスティバル『GeForce eSports』が2013年5月18日（土）、19日（日）の2日間にわたって中国・上海の正大広場で開催され、StarCraft2部門でチェビョンヒョン[IM_YoDa]選手が見事優勝を果たしました。以下はスイニャン（shuiniao）が現地で行ったインタビューです。
－まずは優勝の感想から聞かせてください。
中国選手たちは長いオンライン予選を勝ち抜いてきたと聞いていますが、僕はオフラインからいきなり招待されて数試合しかしていないので特別なストーリーなどもなく、正直言って優勝といっても感動的なものではありませんでした。でも勝つのはいつでも嬉しいものですし、1位を取ったことで若干テンションは上がりましたね（笑）。
－中国の印象はいかがですか。
中国のことは全く知らないし行くのも初めてだったので最初は少し怖い気持ちもあったんですが、兄貴が本当に良くして良くしてくれて今はとても心強いですね。あ、えっと、兄貴っていうのは通訳の人のことです（笑）。大会に関してもSC2は人気がないと思っていたんですが、来てみたら多くの人が興味を持ってくれていて人気もあったのでちょっと驚きました。とにかくすべてが期待以上で、楽しく参加することができました。だけど中華料理だけはどうしても口に合わなくて、昨日は韓国料理のレストランに行っちゃいました（笑）。おかげで今日のコンディションはバッチリでしたよ。
－今大会に向けて、何か特別な準備はしてきましたか。
実は韓国にいる間に、VODで事前に相手選手たちの分析をしてきたんです。それによると彼らはオーダーのバリエーションが少なく同じようなプレイを繰り返していたので、試合ではその点を意識しながらいつでも対処できるようなプレイを心がけました。例えばMacSed選手がオラクルハラスをしてくることも初めから読んでいたので、事前にマリーンを待機させてうまく撃墜することができました。
－MacSed選手との決勝戦はいかがでしたか。
MacSed選手はもともと上手い選手なのに、今日は相当緊張していたようですね。それで攻撃的なプレイをしたら、上手く試合を進めることができました。運も良かったように思います。
－ではMacSed選手はどのようにプレイしたら良かったのでしょうか。
オラクルを出したのに何もできずにやられてしまった時点で、試合は大きく傾いたと考えていいでしょう。プロ対プロの世界ではあのような小さな差が大きな差になるんです。そもそもオラクルを出すのではなく、早めに3rdまで拡張するかアップグレードを進めた方が今の流行に沿っていて良いと思います。韓国ではすでにオラクルハラスの対処法がずいぶん前から出ているので、韓国選手はもうあのようなプレイはしないんですよね。
－海外選手と韓国選手の実力差は大きいと思われますか。
海外選手の中でも特にMacSed選手やJim選手レベルなら、韓国選手との実力差はそれほど大きなものではないと思います。ただし韓国選手は大会の経験も多いし、練習ノウハウも持っているのです。さらに平均的に実力が高く基礎がしっかりしているうえに研究能力にも秀でているので、その点において海外との差は大きいと言えるでしょう。
－中国ファンの印象はいかがですか。
まさか中国に僕のファンの方々がいるとは思いもよらず、とても感謝しています。（ガラス越しにボードを掲げる女性ファンを見ながら）海外ファンにはたくさん会ったことがありますが、あのように僕の名前入りのボードを掲げている女性ファンは初めてなので、何だか気恥ずかしいですね（笑）。中国は、思いもよらなかった良いことがいっぱいという感じです！
－ちなみに日本にもSC2のファンがいるのですが。
そうなんですか。まったく知りませんでした。というか、そもそも日本ではSC2をやらないというイメージを持っていました。中国もLOLやWC3が人気で、SC2は人気がないというイメージだったんですけど、実際は色々と違うものなんですね。
－では日本のファンにメッセージをお願いします。
日本でもSC2に関心を持ってくださっているファンがいると聞いて、韓国のSC2プロゲーマーとして非常にありがたく思っています。これからもぜひ、SC2に興味を持ち続けていただければ嬉しいです。それから日本の選手もたくさん出てきてほしいと思います。今日のような世界大会に、日本の選手も一緒に参加できるようになったらいいですね。
－最後に何か言いたいことがあれば。
最近韓国でたくさん負けてしまったので、今回の優勝を機にまた勝ち続けられるように努力したいです。それから監督とスポンサーにも感謝しています。
写真・インタビュアー：shuiniao（スイニャン） @ 水長 浩美 / Hiromi Mizunaga
