次期プロリーグ、最善の道を模索中
10月中旬に差し掛かりましたが、チーム解体、放送局のチャンネル変更なども重なり、未だ次期プロリーグについての発表はありません。厳しい状況ではあるものの、今の状況を打破する為に各方面で活発な議論が行われている最中だという事です。一日も早く朗報が届いて欲しいと願うばかりです。以下、関連記事をまとめました。
7戦制、プロゲーマー「賛成」vsファン「多分…」
プロリーグ10-11から実施された7戦制について、プロゲーマーとファンの間で意見が分かれている。
プロゲーマー112名を対象にアンケート調査を行った結果、92名が7戦制に「賛成」で、その割合は約82%と高い数値だ。プロゲーマー達の主張としては、7戦制を通じて選手達の出場機会が増える可能性が高くなり、特に練習生達にとっては良い動機付けになるというものだ。7戦制賛成のソンビョング[Stork]選手は「いつも出場機会を得られず、練習だけ手伝ってくれていた練習生達が、7戦制に変わってから意欲的になり全般的にチームの戦力が向上した。」と話す。同じくイヨンホ[Flash]選手も「たくさんの選手が出場出来るようになれば、それだけスタープレイヤーが生まれる機会も多くなる。5戦制はいつも同じ選手が出場するしかなく、新鋭選手が活躍出来ない構図だ。e-sportsへ選手が継続して流入するようにする為には、7戦制が必須」と賛成意見を述べた。コーチングスタッフ、チーム事務局も同様の意見だ。
逆に7戦制反対のプロゲーマーも少数ながら存在する。そのうちの1名、シンサンムン[Leta]選手は「全てが7戦制になり、ポストシーズン特有の緊張感や面白さが減った」と説明した。
多数のファンは、7戦制は試合数が多く、面白いマッチアップが出て来にくくなると反対の立場を見せている。e-sportsの規模を育て投資を引き出す為には7戦制が必要だが、一番重要な「面白さ」という点では7戦制が問題だと言えると指摘している。韓国e-sports協会は「色々な人の意見をまとめて、ファンも楽しめ、e-sports発展にも繋がるようなリーグ方式を考案中なので、見守って欲しい」と話した。(ソース:Daily e-sports)
プロリーグ週5日制の問題点
過去3年間行われてきたプロリーグ週5日制に対し、大多数が「過剰だった」という同じ意見を述べた。ファンはもちろん、e-sports関係者はプロリーグが週5日行われる事によって多くの問題が起こり、それが原因でファンが興味を失い離れていったケースが多かったと話し、次シーズンには試合数を減らそうと声を揃えている。
12プロゲームチーム体制が確立された後、韓国e-sports協会(以下KeSPA)の専門委員達はe-sports育成の為にプロリーグ週5日制に同意した。しかしe-sportsの規模拡大を急ぐあまり、質的な成長が出来なかったという批判が途切れることが無かった。試合数が余りにも多く練習が不十分なり、どの試合も同じような内容になってしまうという現象も発生し、面白い競技を見るのも難しくなった。視聴率も下がり、放送局は収入減少の被害も被り、スポンサー企業も以前と同じCM効果を上げられないという悪循環に陥っていた。
ファンの場合、試合数が多すぎる為好きなチームの試合を見る事も難しくなり、放送局の場合は他種目を放送する余地が無い上に、試合の質の下落による視聴者離れで視聴率も下がるという結果を招いた。
腕の手術を受け、退院直後のイヨンホ[Flash]選手。現在はリハビリに励んでいる。
プロゲーマーもやはり週5日制は重荷だったという。アンケート調査では、週5日制に賛成した選手はたった3名に過ぎなかった。イヨンホ[Flash]選手は「週5日制になった後体力的な限界を感じたし、腕に負担がかかり結局は手術するまでに至った。選手達のコンディションが良くなければ、当然競技力も下がる。ファンは面白みのある試合を期待しているのに、選手達はその期待に答えられなくなり、結局はe-sports全体の危機に繋がってしまった。」と話した。
KeSPAでも今の状況が深刻な事が認知され、週5日制の全面的な見直しを行い、競技数減少の方向で同意した。(ソース:Daily e-sports)
プロリーグ、週1回の意見が多数
プロリーグ週5日制が引き起こした一番の問題は、競技の質の低下だ。週5日制では1チーム週2回のプロリーグの準備をする必要がある。その上、個人リーグの日程も消化しなければいけない状況だった為、選手達は試合出場ごとに違う戦略を準備する余裕も殆ど無かった。
プロリーグが活性化する前の2006年に活動していた選手達の話によると、1試合に出場する為に戦略を組んで、練習をしてその戦略を完成させる過程に大体3~4日ほどかかると言う。チームのエース選手達の場合、1週間で多いときには14試合の準備しなければならない事もあった。イヨンホ[Flash]選手の場合、プロリーグだけで計4試合、両個人リーグ5戦制の為に10試合を準備するなど、計14試合の練習に追われるという最悪の状況に陥ったりもした。
このように練習が不足する状況でいい試合が出来る訳もなく、プロゲーマー達はプロリーグは週1回行うのがいいという意見が多数を占めた。ある関係者は、もし週2回試合を行うことになってしまった場合は、連続して試合を行うのも一つの解決策ではないかと話す。3日間準備をし、2日間連続で試合を行う、その後1日は休日というスケジュールを作るのも悪くは無いという意見を持ち出した。
Samsung KHANキムガウル[January]監督も、連戦制に賛成の声を上げている。「前はチーム間のストーリーも多く、ファンがリーグを熱心に見る楽しみもあったが、最近はライバルチームも特になく、各チーム間の話題が少なくて残念だ。」と話している。プロリーグの試合数を減らそうという根本には全員同意しているが、まだ明確とした解決策は出てきていない。週1回制の意見が多数上がってきているが、プロリーグの面白さを倍増させる為にも連戦制も考慮に入れる必要があるように見える。(ソース:Daily e-sports)
“勝者連戦方式”ウィナーズリーグの運命は?
10-11シーズン、2ラウンド間で行われたウィナーズリーグが、次シーズンでは縮小されることが確実な様子だ。
ウィナーズリーグはリーグ中盤に行われる、よりエキサイティングな試合方式でファンに楽しんでもらう為の一環として計画された。しかし10-11シーズンでは無理矢理に2ラウンド間行った為に緊張感が無くなったという指摘を受け、次のシーズンではウィナーズリーグ開催自体が不透明になっていることが明らかになった。
あるチームの事務局は、ウィナーズリーグが新しいスター選手発掘の為に必ず必要だと力説している。ファンの間でも、2ラウンド連続開催はいい選択ではなかったが、ウィナーズリーグ自体は続けて欲しいという意見が集まっている。プロゲーマー達の間では、賛成と反対が五分五分だ。賛成意見としては、他の対戦方式よりも話題のタネが多くなって、プロリーグ活性化に繋がるのではないか、というものだ。一方の反対意見としては、1人の選手に依存してしまう方式なので、その選手も、出場機会が得られなくなる選手も全員がしんどい思いをする、と強調した。(ソース:Daily e-sports)
Eclatエンターテイメント理事「プロリーグ、至急”ブランド化”を」
国内主要スポーツの中継権を殆ど所有しているEclatエンターテイメント(http://www.eclatnt.com/ )は、現在、e-sports中継権事業も行っている中継権ビジネス会社だ。Eclatエンターテイメント・イジェミョン理事は、e-sportsの危機を乗り越える為には、多くのチャンネルでプロリーグが中継されるようになり、それによってスポンサーシップも増えるという循環構造が必要だ、という考えだ。
「現在、一番の人気スポーツといえる野球でも、停滞した時期があった。」とイジェミョン理事は話す。その時、活性化の為に同社がまず行った事が、全試合中継だったという事だ。ケーブルTVのスポーツチャンネルや、Naverでも中継が出来るようにした。その後野球は、今と同じ600万人が視聴するようになり、ファンは応援チームの試合を選んで見る事ができ、一層盛り上がった。e-sportsが絶頂期にあった時代、Naver、地上波、インターネット放送といった色んなチャンネルでプロリーグを視聴する事が出来た。しかし今はケーブルTVと、各放送局のホームページ以外では視聴出来ない。イジェミョン理事は、プロリーグを放送出来るチャンネルを増やす為にあれこれと駆け回る理由がそれだ。
「今は、Nateへ積極的なマーケティングを仕掛けている。ポータルサイトへコンテンツを入れ込む事は、本当に重要な事だからだ。中継権を購入するようになれば、ポータルサイトは投資に見合うだけの宣伝効果を得る為に、全面的に押し出すほかない。自然にe-sportsを宣伝出来るようになり、一般大衆へも”e-sports”という単語を接する機会が増えるようになる。ポータルサイト進出は、一石四鳥とも言える効果が見込める重要なビジネスだ。」
イジェミョン理事は、”プロリーグ”ブランド化の為にスタークラフトだけではなく、多様な種目をプロリーグに参入させなければならないと主張する。「1週間ずっとプロリーグを開催し、その中で色んな種目を行えば”プロリーグ”というブランドが国内に留まらず、海外でも反響を得ることが出来ると思う。現在、e-sportsはプロリーグがスタークラフトに依存しすぎているのが問題点だ。その構造から変えなければいけない。その為にも、各関係者が自分に何が出来るか真剣に考えなければならない。私はプロリーグを色んなチャンネルで見られるように、選手達は素晴らしい試合を、韓国e-sports協会はプロリーグブランド化の為により良いリーグ構造を作り上げ、チームはファンへ向けたプロモーションやファンサービスを行うなど、自分の立場で出来る最善の努力を行う時だ。持続的な投資を引き出す構図を作り上げる為にも、全員が心を1つにしてやらないといけないでしょう?」(ソース:Daily e-sports)
“プロリーグ-個人リーグ”の折り合いは?
現在、次期プロリーグ方式に対する議論が続いているが、Ongamenet(以下OGN)は苛立ちを隠せない。OGNはプロリーグ、個人リーグ、その他種目の放送にまで気を配らないといけないが、韓国e-sports協会(以下KeSPA)は個人リーグやその他種目に対する配慮もなく、ただプロリーグ方式の議論だけにかかりっきりの状態だからだ。
OGNはe-sports最高のブランドである「スターリーグ」を運営している。その上、国産種目育成の為に他にも多様な種目を主催している状況で、むやみにプロリーグだけを考慮出来るはずも無い。しかしながらKeSPAの議論の対象がプロリーグだけに限定されている現実に、OGNも頭を悩ませている。
OGNはプロリーグと個人リーグの均衡をとらなければいけないと力説する。プロリーグと個人リーグが持つ魅力は全く違っており、相互補完的だという方が正しい。最初、個人リーグで名声を得た選手達が、その所属チームを中心にファン層が形成されプロリーグの人気が高まるようになった。現在はプロリーグでスター選手になった選手達が、個人リーグで良い成績を残したりといった、両方のリーグがそれぞれ活力を分け与えている構図だ。
先日行われたジンエアースターリーグ2011。オフシーズンの為、選手達も十分な準備時間が取れた事もあり試合の質が格段に違ったと、高い評価を受けている。
しかしプロリーグの頻度が高まると、個人リーグは後にと追いやられてしまう。前シーズン、キムテギョン[Bisu]選手はインタビュー中で「チームがプロリーグに比重を置き、個人リーグの練習をする時間が無い。もう少し個人リーグへの配慮をしてもらいたい。」と話す場面もあった。選手達は個人リーグの練習をする時間がなく、これが個人リーグの試合の質の低下に繋がってしまった結果だ。新しいスターが生まれないままだと、やはりプロリーグへ悪影響を及ぼし、悪循環を繰り返すという事だ。
個人リーグが無ければ、プロリーグがスター選手を持つのは難しい。イジェドン[Jaedong]、イヨンホ[Flash]、ソンビョング[Stork]、キムテギョン[Bisu]といったスター選手は、個人リーグが生み出したものであり、プロリーグが生み出したものではないからだ。OGNは「個人リーグが無くなってしまえば、プロリーグもその魅力を失ってしまう。両リーグが相互に補完出来るように、多くの分野で一緒に議論しなければいけない。」という意見を出している。(ソース:Daily e-sports)
kage0119
2011年10月16日 at 7:59 PM
確かにプロリーグに個人リーグとかなり試合数が増えてて、試合を追うのも大変になってきてた感じがある。
個人的には7戦制は賛成。新しい選手が活躍しているのを見るのは楽しいし、追う楽しみも増える。