2010年5月29日、2009年MSL決勝の再現となった舞台でイヨンホ[Flash]がイジェドン[Jaedong]を3:0で下しMSL初優勝を手にした。試合結果とVODはこちらよりどうぞ。
疑うまでもなく世界最強のTerranと世界最強のZergが衝突したこの日の試合。昨年1:3で敗れたイヨンホ[Flash]は万全のオーダーと彼を王者たらしめる人間離れした操作力でディフェンディングチャンピオンであるイジェドン[Jaedong]を迎え討った。
大事な初戦で先手を打ったのはイヨンホ[Flash]選手。ダブルコマンドからしっかりと入り口を封鎖したイヨンホ[Flash]選手は即Starportのオーダーを選択。それを見たイジェドン[Jaedong]選手は、ハラスの必要性に疑問を感じ同じく進化オーダーへと走る。これにより心理戦へと突入し、両者終盤の衝突に備える。StarCraftの世界で最も破壊力があるとされる「ハラスされていないTerran」の攻撃だったが絶妙の時間感覚を発揮しイジェドン[Jaedong]選手は一時防衛。しかし相手のユニット構成を見て狙いが分かったイヨンホ[Flash]選手はPlagueを上手くかわす立ち回りでペースを失わず快勝。
自身も認める尻上がりのイジェドン[Jaedong]選手は、続く第2試合でMutalオーダーを選択。それに対してイヨンホ[Flash]選手はまたも即Starportのオーダー、今回はBarrackも追加して中盤へ戦力のピークを調整する。Mutaliskで主導権を奪いにいったイジェドン[Jaedong]選手ですが、lurker移行を視野に入れていたためscorgeを温存せざるを得ず、Valkyrieを投入していたイヨンホ[Flash]選手が完全に主導権を握る。なんとかlurker投入までに足を止める必要があるイジェドン[Jaedong]選手でしたが、イヨンホ[Flash]選手のハイレベルなコントロールを前に戦力の大半を失ってしまい、そのまま0:2としてしまった。
イヨンホ[Flash]選手がほぼ理想的な形で迎えた第3試合。後がなくなったイジェドン[Jaedong]選手はマップがMatch Pointだということもありラッシュオーダーで勝負。余裕があるとはいえラッシュの危険性から警戒を強めるイヨンホ[Flash]選手は、最初の偵察SCVが撃破された後のvultureを有効的に活用。結果的に試合の明暗を分けるvultureとなる。がっちりと固められた入り口をスルーしたと見せかけて別ルートから偵察を再開。イジェドン[Jaedong]選手のLairなしhydraオーダーを発見してからは全力でディフェンスだ。セカンドのSCVを総動員して死守した後にtankの到着が間に合いほぼゲームセット。
抵抗空しく大差で敗北したイジェドン[Jaedong]選手を前に、イヨンホ[Flash]選手は昨年の雪辱を晴らすと同時に、自身初のMSL優勝タイトルを持ち帰った。