2010年5月22日、CJ Entusのキムジョンウ[EffOrt]は、KT Rolsterのイヨンホ[Flash]を0:2から3連勝の逆転勝利で破り、自身初のスターリーグ優勝を記録しました。試合結果と動画はこちらから。
八百長事件に揺れた韓国e-Sports界ですが、過去最大規模の大型スポンサーを引っさげて行われた『大韓航空 スターリーグ 2010』決勝戦では、旅客機の格納庫を貸しきって開催されただけでなく旅客機1台まるごと登場という華やかなオープニングで、トッププレイヤー同士の激突を盛り上げ、韓国e-Sports健在を強調した。
初戦ではイヨンホ[Flash]選手がMech TerranのオーダーからValkyrieを投入。しかしこれをキムジョンウ[EffOrt]選手が撃墜したところでアクシデント発生。イヨンホ[Flash]選手のモニター不良が確認された。協議の結果「Valkyrieの早期損失は試合の勝敗を左右する重要な部分であり、これが外的要素(モニター不良)によって引き起こされたため再試合」ということになった。
その後再試合では完璧な試合運びでイヨンホ[Flash]選手が圧勝、第2試合でも教科書通りとも言うべき美しいバイオニックオーダーで一気にゴールデンマウスへ王手をかけた。いかにキムジョンウ[EffOrt]といえど、優勝経験豊富なイヨンホ[Flash]との差は歴然と思われたが、ここから試合は動くことになる。
余裕の出たイヨンホ[Flash]選手は、続く第3試合で早めのセカンド確保から保守的な序盤を目指す。それを見逃さなかったキムジョンウ[EffOrt]選手は、Zerg最大の持ち味である「タイミングラッシュ」で一気に反撃、わずか7分半でイヨンホ[Flash]選手の無敗優勝を阻止した。 流れに乗ったキムジョンウ[EffOrt]選手は第4試合の序盤でイヨンホ[Flash]選手の速攻オーダーを早期偵察で確認、序盤から圧倒的なアドバンテージを得る。その後はリードを失わないように相手の展開を見て無理なく自軍を展開。どちらがTerranか見間違うほどの堅実なプレイで最終試合まで持ち込んだ。
第3試合開始時点では誰も予想できなかった最終試合。イヨンホ[Flash]選手のダブルコマンドを確認したキムジョンウ[EffOrt]選手はすぐさま攻撃に。ディフェンスは十分間に合ったイヨンホ[Flash]選手ですが、ここからはStarCraftならではのアクション展開。SCVの立ち回りを見て上手く自軍を分散させたキムジョンウ[EffOrt]選手は、そのまま後続部隊と共に攻め立てゲームセット。キムジョンウ[EffOrt]選手は、初の個人リーグ優勝で4000万ウォンを持ち帰ると共に新たな歴史のページへ名を刻んだ。