5月26日、ついにBlizzardが反撃を開始しました。韓国の大手e-sports情報サイトfomosが報じたところによると、BlizzardがGretech GomTVと再度パートナーシップを結び、同社タイトルでの公式試合放送権利を正式に発表しました。
ピンと来ない方は、こちらの記事を思い出していただきたい。これまで世界最高水準を誇る韓国e-sportsを作り上げ、育ててきたのは紛れも無くKeSPAですが、10年以上もの間その核を構成していたのは『StarCraft:BroodWar』でした。KeSPAとBlizzardは幾度となく話し合いの機会を持ち、それらはことごとく決裂しており、韓国のe-sports放送会社大手2社(OnGameNetとMBCGame)はKeSPAと協力体制を築いてきました。そこに名乗りを挙げたGomTVはBlizzardと手を組み、正面から立ち向かいましたがKeSPAはこれを一蹴。今日までプロフェッショナルStarCraftの主導権を維持していました。
今回Blizzardは、これまで存在しなかった「同社タイトルを使用した正式な放送権利」をGomTVに譲渡しており、事実上KeSPAの活動を否定することになります。韓国ではStarCraftブランド以外のゲームも専用チャンネルで放送されていますが、KeSPAが圧倒的な人気を誇るStarCraftブランドを失うことになれば、世界のe-sports市場で頂点に立つKeSPAがKeSPAで無くなる可能性も否定はできません。
これに対してGomTVの代表は「StarCraft IIを含めた人気タイトルの試合をファンの皆様に提供出来ることを嬉しく思います。我々は現存するプロゲーマーや韓国内の放送会社と協力関係を築き、より良いトーナメントを運営していきたいと思います」と発言しており、裏を読むとKeSPAの行っていた活動をBlizzardに還元したい考えを明らかにしています。
さらにGomTVは英語圏に向けた放送を重視していたことから、StarCraft II登場以降に韓国レベルのe-sports市場が世界へ拡散していく可能性すら秘めている今回の発表。そして別の事実としてBlizzardは「8月まで(現行のプロリーグが終了する時期)KeSPAが自前のリーグを放送しても良い」と発表しており、StarCraft II発売直前で長年の衝突に終止符を打とうとしているのは明白です。今後StarCraftを中心とした世界のe-sports市場がどこに向かっていくのか。注目のニュースです。
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fomos.kr – ソース(韓国語)