◇アメリカで留学と同時にゲーマー活動をしているチェソンフン[Polt]
今年始まった『World Championship Series (WCS)』の問題点は、出場リージョン制限を全面解除し、国籍や所属チームの活動地域ではなく選手個人の選択に応じてリージョンを指定できるようにしたことだ。KRの競争が熾烈になると予想した一部の韓国人選手らはAMやEUを選択して上位にランクインし、韓国人選手が全ての優勝を総なめにした。それでもEUでは一部の海外選手らが善戦したが、AMではアメリカ人選手がベスト8で全滅するという状況が頻繁に起こった。しかし2014年からは、このようなことは起こりにくくなるとみられる。
AM、EUでも韓国独走
韓国人選手が独走する『WCS AM』では、これまでにアメリカ人選手が『Premier League』のベスト16に入ったのはたったの二人である。シーズン1でEGのConan Liu[Suppy]が勝ち上がり、シーズン2ではROOT GamingのChad Richard Jones[Minigun]が主人公だった。しかし、二人はベスト16で韓国人選手に倒され、敗退の苦杯をなめた。
来たる10月15日にアメリカ・カリフォルニア州にあるNorth American Star League(NASL)Studioで開催されるシーズン3のベスト16では、アメリカ国籍の選手が一人も勝ち上がれずベスト32で敗退した。韓国人選手が14名で、カナダが2名、中国と台湾がそれぞれ1名の進出者を出している。
EUはAMのように深刻ではないが、韓国人選手が上位に入賞する比率が増えてきている。Acerのムンソンウォン[MMA]の優勝で幕を閉じた『WCS EU Season 3』では、上位8名の選手の中で韓国人選手は5名だった。mousesportsのJuan Moreno Durán[VortiX]がベスト4に勝ち上がり、唯一のシーズンファイナル進出外国人選手となった。
◇Sasha Hostyn[Scarlett]
『Global Finals』は韓国人選手の宴!
シーズン別、リージョン別に韓国人選手が上位に入賞したことにより、『WCS Global Finals』で韓国以外の国籍を持つ選手を探すのは至難の技だ。11月にアメリカ・アナハイムで開催される『Global Finals』は、外国人選手なしの韓国人選手らの宴に終わる可能性が高まった。現在『WCS Global Finals』に直行できる上位16名の選手のうち、韓国人選手は15名。Alliance所属のJohan Lucchesi[NaNiwa]が、2825ポイントでかろうじて16位にランクインしている。
しかしJohan Lucchesi[NaNiwa]は現在『Challenger League』に下がった状況であり、SK Telecom T1のオユンス[soO](2,050ポイント)など多くの選手がシーズン3の試合を進行中であるため、追い越されるのは時間の問題だ。
『Global Finals』で韓国人選手の独走を防ぐためには、AcerのSasha Hostyn[Scarlett]がその役割を担わなければならない。2250ポイントで19位に上がっているSasha Hostyn[Scarlett]は、『WCS AM Season 3』でベスト4以上の成績を収めれば『Global Finals』に直行する可能性が高い。もしSasha Hostyn[Scarlett]が途中で敗退するような状況が起これば、『Global Finals』は韓国人選手が独占することになる。
Blizzardは、海外ファンはリージョンに関係なく実力の優れた選手を応援しているため韓国選手で埋め尽くされても構わないという反応だが、ファンの考えは違う。リージョン制限を外した理由は韓国人選手らがアメリカやヨーロッパで活動しながらプロゲーマーとしてのノウハウを伝えることだったが、この1年間の流れを見る限りでは少しの間とどまってはすぐに去るという形に変わってしまったためである。
WCSのリージョン制限を解除したことにより、AMとEUで実力の底上げをする海外選手が減っているということは大きな問題だ。加えてLeague of Legends(LOL)とDOTA 2が成功したことで、北米の某ゲームチームは再契約シーズンを控えてSC2選手を解雇するという噂も流れている。
来年からはリージョン制限が発生
WCSリージョン制限が解かれた余波は、韓国も大差ない。KRで本選に上がれなかった選手が他のリージョンを選択して本選に上がるということが頻繁に発生したため、多くの選手が来年のシーズン1はAMに志願することを考慮していることが確認された。
しかし、韓国人選手が来シーズンにEUやAMで活動する姿は、極めて制限される見通しだ。改正案のひとつがリージョン制限だからである。海外のeスポーツ関係者によると、来年からは韓国籍を持つ選手はすべてKRで活動しなければならなくなるとみられる。ただし海外を拠点に活動している、または海外に宿舎を持っているゲームチーム所属の選手は例外として認められる可能性が高い。
そうなれば韓国人選手が独走していたEUやAMの外国人選手たちも、ある程度道が開けるとみられる。
[デイリーeスポーツ キムヨンウ記者 kenzi@dailyesports.com]
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Daily eSports – WCS, 2014년에는 국적 기반으로 전환?