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【ピープル】 SKTチェヨンソン[iloveoov]監督代行、「未来と戦い勝ってみせる」

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SK Telecom T1は、9月中旬に監督を交代するというプレスリリースを出した。12-13シーズンの司令塔を務めたイムヨファン[SlayerSBoxeR]監督の辞任により、空席をチェヨンソン[iloveoov]ヘッドコーチが監督代行形式で埋めていくという内容だった。

 

チェヨンソン[iloveoov]監督代行は、軍隊から除隊してチームに戻るやいなや両肩に大きな荷物を背負わされたわけである。SK Telecom T1が設立された2004年から入隊した2011年までの8年間、選手とコーチとしてチームに所属していたものの、戻るやいなや監督の空白を埋めなければならないという重責を引き受けた。しかもSC2というチェヨンソン[iloveoov]には新たな種目でチームを率いなければならないという責務まであり、容易ではないことだ。

 

あまりにも大きな荷物を社会復帰後すぐに引き受けたため悩まされているかと思われたが、チェヨンソン[iloveoov]監督代行は明るい笑顔を浮かべながらインタビューに応じた。「避けられないなら楽しめ」という軍隊の格言に慣れているのではないかという質問に、「軍隊生活の中で、不可能なことはないということを学びました。楽しくチャレンジしてみればやり遂げられぬことはないということを体験したので、今の状況も乗り切ることができると思います」とインタビューを開始した。

 

「目をつけられた」兵士から模範兵へ

チェヨンソン[iloveoov]の軍隊生活は、初めから「こじれた」。SK Telecom T1で選手生活をしていたときにも手根管症候群のため引退を宣言し、コーチとして職務を変えた際には甲状腺機能亢進症、頚椎椎間板ヘルニアのせいで苦労していたチェヨンソン[iloveoov]は、30という年齢で軍隊に入った。背が高く筋肉量も多いため人気歌手のキムジョングクに例えられて「eスポーツ界のキムジョングク」と呼ばれており、チェヨンソン[iloveoov]は訓練兵の中で当然のように目立ち、中隊長訓練兵として選任される予定だった。

 

しかし、チェヨンソン[iloveoov]は辞退した。頚椎椎間板ヘルニアなど抱えていた症状があまりにも多すぎたため、他の模範となるべき中隊長訓練兵の役割をきちんと行うことができないと判断したからである。3度も提案されたがすべて断ったチェヨンソン[iloveoov]は 「目をつけられた」。訓練所の国軍首都統合病院で精密検査を行ったがすべて正常という結果が出たことで、嘘つき兵士という良くないイメージが生まれ罪のない体罰を何度も受けた。

 

「訓練所でとりわけ目立つ兵士でした。身体はどっしりしているのに中隊長訓練兵にはならないと言い、検査結果はすべて正常なので仮病を使う人間とされてしまいました。自隊配置を受けてからも理由なき病気の兵士と見られ、軍隊生活の序盤は糸のようにもつれてしまいました」

 

チェヨンソン[iloveoov]はパニック障害を患った。常勤予備役で午後6時に退勤する生活を送っていたため負担はないだろうとの周囲の予想とは異なり、二等兵時代にチェヨンソン[iloveoov]は睡眠がきちんと取れなかった。軍隊という新たな社会に適応できず身体まで痛み、二重に苦しめられたのだ。

 

「自殺したいと思うほど身心が疲れてしまいました。諸症状をインターネットで検索したところ、百科事典でパニック障害と出てきたんです」

 

パニック障害で苦労していたチェヨンソン[iloveoov]は、命の恩人に出逢った。特殊部隊出身の洞隊長がカッピング療法でチェヨンソン[iloveoov]の頚椎椎間板ヘルニアを治療し、8年以上抱えていた痛みと別れを告げたのである。身体を意のままに動かせるようになったチェヨンソン[iloveoov]は積極的な姿勢で軍隊生活に臨み、階級が高くなったことでパニック障害も消えた。行政兵の職務を受けたチェヨンソン[iloveoov]は文書作成のみならずさまざまな雑務を担当し、やり遂げられないことはないという考えを持つようになった。

 

「社会では他の人に簡単に任せることでも、軍隊では自主的に解決しなければならなかったんです。文書作成や作戦マップの作成など行政兵の平凡な仕事以外にも、配線作業、エアコン修理なども自分の役目でした。やってみたら全部できましたよ」

 

ポジティブなマインドを持って積極的にチャレンジを始めたチェヨンソン[iloveoov]の軍隊生活は、悪循環を立ち切った。仮病兵士という色眼鏡は消え、師団長の表彰候補にまで上がるほど改善された。表彰は受けられなかったが、チェヨンソン[iloveoov]はチャレンジして実現できないことはないという自信を得た。

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イムヨファン[SlayerSBoxeR]の空席

チェヨンソン[iloveoov]は、SK Telecom T1のコーチとして復帰する予定だった。 除隊直前の休暇も、SK Telecomの宿舎に自主的に出勤し選手らとStarCraft 2(以下SC2)を研究するために使うほど情熱的だった。イムヨファン[SlayerSBoxeR]監督を補佐し、SK Telecomを再び最高のチームにすることが彼の一次目標であった。

 

13-14シーズンのプロリーグを控え、ワークショップを準備していたイムヨファン[SlayerSBoxeR]監督の様子を見ながら、チェヨンソン[iloveoov]は「ワークショップの資料にしてはあまりにも膨大すぎる」と思った。なぜこんなにたくさん必要なのかを監督に尋ねたところ、帰ってきたのは「すべて君のためのもの」という答えのみであった。その時までチェヨンソン[iloveoov]は、イムヨファン[SlayerSBoxeR]が監督職を辞するとは思ってもみなかったのである。

 

正式発表が出る1週間前に、チェヨンソン[iloveoov]はイムヨファン[SlayerSBoxeR]監督との酒の席で辞任の意思を直接聞いた。監督という地位を維持することがとてもつらく、チームを去ると言うのである。青天の霹靂であった。

 

「軍隊のときもしょっちゅう電話して、(イム)ヨファン[SlayerSBoxeR]さんがSK Telecomに復帰しなければならないと“プレッシャー”をかけたのが私でした。SC2に種目が変わる過程で、チームに最も必要な人はヨファン[SlayerSBoxeR]さんだと思ったんです。ところが変化があまりにも早すぎました。パクヨンウン[yongun]監督の座をヨファン[SlayerSBoxeR]さんが埋めることになり、大きなストレスとなったようです」

 

焼酎3杯だけで伸びてしまうチェヨンソン[iloveoov]は、しきりに焼酎をあおって涙をこぼした。チームを離れないでくれ、一緒に頑張れば困難も振り払うことができると泣いてすがったが、疲れ果てたイムヨファン[SlayerSBoxeR]は意思を変えなかった。結局チェヨンソン[iloveoov]は監督代行の座を任された。

 

イムヨファン[SlayerSBoxeR]も持ちこたえることができなかったSK Telecomの監督の座を、ストレスを受けずにやっていくことができるのかという質問にチェヨンソン[iloveoov]は、「死にたいと思うほどつらかった軍隊生活を乗り越えた私に、プロゲームチームの監督の座は天国でしょう」と言いながら笑った。

 

過去の栄光に酔うのはすでに死んだ者

チェヨンソン[iloveoov]は、StarCraft:BroodWar(以下SC1)に関する考えを頭の中から完全に消した。今のチェヨンソン[iloveoov]をつくりあげたゲーム、eスポーツという文化がつくられた土台はもちろんSC1だったが、今開かれているリーグはSC2で行われている。そして2013年現在、eスポーツのメイン種目はLeague of Legendsだ。SC1を超え、過去最高の破壊力を見せている種目である。

 

「帰ってきてみたら“昔はああだったのに…”と言いながら、SC2に対して悲観的な視線が多かったんです。会場の集客や放送編成などを見ると、SC2がSC1に比べてずいぶん落ちているのは事実です。しかし私は、そんな考えはすべて捨ててリセットしようと選手たちに伝えました」

 

過去の栄光に酔ってしきりに振り返るよりは、果敢に立ち切って前だけを見て走ろうという考えだ。SC2という船に乗った状態で左右に首を回したところで、船が山に行くことはできないからである。

 

「SC2の人気をSC1の全盛期のようにすると断言することはできません。でもSC2というひとつの船に乗ったBlizzard、KeSPA、ゲームチームが心をひとつにすれば、格差を狭めることはできると思います。そのためにはまずSK Telecom T1のSC2チームから全力投球しなければならないでしょう」

 

チェヨンソン[iloveoov]はまた、「過去の栄光にこだわると、自分たちが疲れて死んでしまいます。私たちが生きるためには、未来と戦わなければならないでしょう。自分たちの生活の基盤は、自分たちがつくっていかなければなりません。SC2が生きていくためには、きらびやかな過去の栄光を頭の中から消さなければならないのです。私と選手たちはそうすることを決意しました」

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100回優勝が目標

監督代行ではあるものの、SK Telecom T1 のSC2チームリーダーとしてチェヨンソン[iloveoov]の目標は、100回優勝だ。プロリーグというチーム戦で100回優勝をするためには100年という歳月がかかるが、大小の個人リーグで所属選手を優勝させるなら充分可能であるというのが監督代行の説明である。

 

チェヨンソン[iloveoov]は囲碁棋士のチョフンヒョン9段のプロフィールを例に挙げた。大小の大会で優勝したものだけ見てもスクロールしきれないほどたくさん優勝しており、あのようになりたいと話した。すでに選手生活から退いたため自ら優勝カップを手に入れることはできないが、良い選手を育成できれば指導者としてその目標を達成することができるだろうと自信を見せた。

 

「SC2はSC1と違い、国内外の大会が本当にたくさん開かれています。できるだけ多くの大会にSK Telecomの選手を出場させるつもりです。世界中で開催されている各種SC2大会で選手らが優勝すれば、指導者である私のタイトルにも経歴を1行追加することができるでしょう」

 

チェヨンソン[iloveoov]が選手を育成する基本方針は、自律である。面談を頻繁に行い、選手が自ら練習量と目標を設定するように誘導している。監督とコーチの決める練習は選手に否定的な要因となる場合があるが、自発的に立てた計画は自分で守らなければならない規則として迫ってくるからである。

 

「選手生活では、やる気になれない練習をやらされるとただの時間稼ぎになってしまうのです。誰かの指示により、誰かの顔色を伺わなければならない練習は、技量の発展には何の助けにもなりません。選手自ら目標を立て、監督とコーチは目標を達成できるよう支援してやれる人間になることが正しいと思います」

 

目標は100回優勝であると明かしたが、チェヨンソン[iloveoov]のつくるチームに関するイメージは、優勝したあと誰もが笑っているゲームチームである。SK Telecom T1がプロリーグで何度か優勝したにもかかわらず、誰もが幸せに笑っていたことはあまり多くなかった。内部的には競争があまりにも激しすぎて傷ついている人も多かったという経験をしたため、監督代行は「誰もが優勝に貢献し、共に笑うことのできるチーム」を第一声に掲げた。

 

「優勝という結果は、葛藤を覆う雪のように感じられることが多かったです。さまざまな葛藤がありますが、優勝すると一時的に覆われるのです。逆に言うと、優勝できなければ葛藤はすべて表に表れます。私の追求しているチームは、最高の場所で皆が笑顔のチームです。皆が一緒に準備をして成果を皆で共有できる幸せなチームが、SK Telecom T1になるだろうと信じています」

 

[デイリーeスポーツ ナムユンソン記者 thenam@dailyesports.com]

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Daily eSports – [피플] SKT 최연성 감독 대행 “미래와 싸워 이기겠다”

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