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【ピープル】イスンソク[s2]、「プロゲーマーになって幸せでした」

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今回のシーズンオフは、他のチームに比べてひときわSK Telecomの選手の引退ニュースが聞こえてきました。プロトスのドジェウク[Best]とeスポーツ界に転機を起こしたキムテギョン[Bisu]、そして先週には「eスポーツ界のパクチソン」と呼ばれ、キャプテンの役割を忠実にこなしたイスンソク[s2]まで引退を決意しました。

 

イスンソク[s2]は、先に引退を宣言したドジェウク[Best]とキムテギョン[Bisu]よりも認知度の高い選手ではありません。しかしプロゲーマーたち、特にSK Telecomの選手たちにとって、イスンソク[s2]の引退はどのニュースよりも残念でやるせないと感じざるを得ません。それほどイスンソク[s2]はムードメーカーであると同時に、兄貴分の役割を果たした選手であることは否定できない事実なのです。

 

イスンソク[s2]は関係者の間で、特に記者の間で人気があります。礼儀正しく親しみやすい魅力を持った選手であったイスンソク[s2]。しかし、別の意味で一番多くの記者たちをやるせない気持ちにさせた選手の一人でした。性格があまりにも純粋で良い人すぎて、損をすることが多かったからです。性格が良すぎて、実力に比べて成果を出せなかった悲運の男でした。

 

引退のニュースが伝えられた後、記者がインタビュー要請のために電話した時も、イスンソク[s2]は怪訝な声でした。イスンソク[s2]は、「ただ静かに引退することになると思っていたのに、本当にインタビューをしてくれるのか」と繰り返し聞いてきたのです。イスンソク[s2]は、「個人リーグも一度も突破することができず、何も言うことができぬまま引退するのかと思うと残念でならなかったのだが、とても感謝している」としきりに感謝の気持ちを表していました。むしろインタビューを要請した記者のほうが、心苦しい状況でした。

 

ある意味、eスポーツのような勝負の世界とは合わない性格の持ち主であるイスンソク[s2]。それでも彼はプロゲーマーになったことは後悔していないと言いました。これまで知られることのなかったイスンソク[s2]の話を、今から一緒に聞いていただけるよう願います。

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愛するeスポーツ、愛する仲間たち

イスンソク[s2]は、インタビューの場所を龍山(ヨンサン)にしたいと提案してきました。選手生活をしている間ずっと会場に来ていたわけでうんざりしそうなものですが、イスンソク[s2]はプロゲーマーとしての公的な最後の席を龍山(ヨンサン)にしたいと言いました。イスンソク[s2]は、心の底からeスポーツを愛するプロゲーマーだったのです。

 

「eスポーツは僕の人生のすべてであり夢でした。僕はeスポーツ界に大きな転機を引き起こすことはできなかったものの、今でも僕の心の中のeスポーツは夢であり希望です。人生を共にした龍山(ヨンサン)で最後を飾りたいと考えたのも、そんな気持ちからでした」

 

実はイスンソク[s2]は個人リーグベスト16に進出したこともなく、プロリーグでも大きく注目されることのなかった選手でした。成績と愛情が比例すると仮定するならば、イスンソク[s2]はeスポーツへの愛情が大きくないということになってしまうでしょう。しかしイスンソク[s2]のeスポーツ愛は、個人リーグに何十回も出場した選手より大きかったのです。

 

彼がどれほどeスポーツを愛し心配しているのかは、プロゲーマー生活の中で一番残念だった瞬間という質問に対する答えからも明らかです。ほとんどの選手は個人リーグ決勝で敗れたことや、連敗したことなどと言うでしょう。しかしイスンソク[s2]の回答は、完全に違っていました。

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「八百長事件が起こったときが一番残念でした。 eスポーツ界が嵐に巻き込まれ、復興するのに長い時間を要する事件となりました。今でも胸が痛いです。あの一件がeスポーツ産業を縮小させ、今の危機をもたらすのに大きな影響を及ぼしましたよね。プロゲーマーたちが未来を心配しなければならない状況を作った八百長事件は、僕のプロゲーマー人生の中で最も残念な瞬間でした」

 

寛容な人であると言うべきでしょうか。外見のみパクチソンに似ているのかと思ったら、深い考えを持っている点も「キャプテン」パクチソンにそっくりなイスンソク[s2]。さらに驚くべき回答がすぐ後に続きました。

 

「そして僕は引退を宣言した今この瞬間が、一番残念です。現在、選手たちはゲームの楽しさを感じられずにいます。ガランとした観客席を見ながら、選手たちはため息をついています。SC2は面白くないと言われていますが、おそらく選手たちが意欲を持ってゲームできていないから、さらにそうなのかもしれません。なぜこのようなことになったのでしょうか。はがゆいのは、誰も責任を負わずにゲームを言い訳にしている現実です。もう一度以前の状態に戻すことは誰にもできないでしょう。こんなところで仲間たちがゲームをやり続けなければならないという状況が、残念でなりません」

 

引退を宣言してから最後にするインタビューで、自分の話よりもeスポーツ界に関する全体的な話をして心から心配する気持ちを表したイスンソク[s2]。彼の言葉はひとつも間違っておらず、インタビューを行いながら心の片隅が痛み続けました。

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「良い人イスンソク[s2]」、プロゲーマーとしては最悪の性格

個人リーグのベスト16に上がることのできる試合が明日に迫っているのに、仲のいい友人に良くないことがあったから一杯つきあってくれないかと誘われたら、おそらくほとんどのプロゲーマーは友人の誘いを断るでしょう。特にトップクラスのプロゲーマーであるほど、このような面では徹底しています。実はこれがプロ精神たるものなのですが、知人たちには「自己中心的な人」という非難を受ける可能性もあります。

 

しかしイスンソク[s2]はむしろチームメイトに、「お願いだから自分のことをまず先に考えてくれ」という忠告を受けたそうです。個人リーグのベスト16に上がるための試合を控えて、イスンソク[s2]はあるチームメイトから「良くないことが起きてとても辛い」という話を聞いたのです。彼はすぐに駆けつけました。そして次の日の試合で、イスンソク[s2]は見事に敗退しました。

 

「良い人ではなく、プロらしくないだけでしょう。かといって、どうすれば良かったんでしょうか。プロゲーマーとして試合に出て勝つことと同じぐらい、僕には友達や知り合いも大事だったんです。20年以上そうやって生きてきたのに、いきなり知らんぷりするのは無理でした」

 

イスンソク[s2]はプロゲーマー時代、プロらしい選手たちを見て羨ましさを隠しきれなかったといいます。自分もそのような「自己中心的な人」になりたかったそうですが、それは不可能でした。そしてイスンソク[s2]は、徐々に自分の性格とプロゲーマーという勝負師の仕事は合わないと思い始めました。

 

「チームメイトたちも関係者たちもしきりに“性格の良い選手”であると美化していますが、正確にはプロらしくない選手だと非難されるべきです。僕がプロゲーマー生活の中で、ただひとつだけ後悔している点でもあるのです。プロらしくできなかったこと、おそらくそれが今の僕の立ち位置を作ったのではないでしょうか」

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eスポーツがくれた最高の贈り物は友人

イスンソク[s2]がeスポーツを愛している理由は、「友人」のためであると告白しました。eスポーツがくれた最高の贈り物である「友人」がいたから、イスンソク[s2]はeスポーツを心から愛するしかないと言います。ここまでくると、翼のない天使という評価が色あせることはなさそうです。

 

「プロゲーマー生活の中で、本当に大切な縁ができました。SK Telecomの仲間たちは、誰一人欠かすことのできないほど大切な存在です。ケンカもして辛い話もしながら、本当の友達になりました。引退を宣言しましたが、今でもチームメイトと連絡を取り合っています。僕より先に引退したチェホソン[SSak]、先日引退した(キム)テギョン[Bisu]とも、連絡を取り続けています」

 

特に、キムテギョン[Bisu]の家とイスンソク[s2]の家は歩いて5分の距離だそうです。なんとなく二人は合わない組み合わせのような気がしますが。イスンソク[s2]は、キムテギョン[Bisu]がとにかく可愛くて一風変わった魅力のある友人だと言いました。チェホソン[SSak]は、SK Telecomで一番ケンカもしたけど一番いろいろな話をした友人だそうです。イスンソク[s2]には、友人という大切な贈り物ができたのです。

 

「僕は個人的に、人生の中で友達という存在が最も重要だと考えています。彼らとの縁はこれからも続けたいですね。20代を捧げたeスポーツがもたらしてくれたさまざまな経験を通じて、これから社会に出ても大丈夫な人間になるという誓いを立ててみます」

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イスンソク[s2]は今後プロゲーマーの名に泥を塗ることのない人間になると言いながら、両手のこぶしをぐっと握りました。そしてこれまで自分を応援してくれたファンに対する感謝の気持ちも、忘れずに伝えました。ファンの愛に恩返しすることができるよう、素晴らしい社会人になってまた戻ってくるという約束も添えて。

 

「イスンソク[s2]という名前を覚えていてくれるファンが一人でもいれば、幸せだと思います。どこにいてもeスポーツを愛する心は変わらないでしょう。遠くから応援しています。今より良い環境で選手たちが試合をすることのできる環境をつくるために、大勢の方々にさらに努力していただければと思います。これまでeスポーツの一部であることができて幸せでした。皆さんの幸せをお祈りしています」

 

[デイリーeスポーツ イソラ記者 sora@dailyesports.com]

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