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Terran vs Zerg プロリーグにおける3年間の歴史と移り変わり

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韓国の非公式プロゲーミングポータルサイトである「pgr21」にて、個人ユーザーのデータ記録とその分析結果が公開されました。そのデータというのが2006年、本座マジェユン[sAviOr]選手が世界を圧巻していた時代から、2009年までに及ぶTerranとZergの勝率を記録したものです。

このデータから分かる両種族の3年間にわたるパワーバランスやトレンド、戦術の移り変わりなど様々なことが見れます。非常に興味深いものだったので、その意訳と個人的な見解をまとめてみようと思います。本当に素晴らしいデータなので目を通して損はないかと。

まず上記のグラフは見ての通り勝率を表す棒グラフとなっており、グラフが高い位置を記録していればTerranの勝率が高い、低い位置を記録していればZergの勝率が高い時期であることを示します。

2006年夏から冬

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  • 新韓スターリーグ Season2 – イユンヨル[NaDa]優勝
  • プリングルス MSL Season2 – マジェユン[sAviOr]優勝

夏にグラフが急激に落ち込んでいます。これはまさにマジェユン[sAviOr]選手が常識を超えた強さを見せ始めた時代で、当時のZergプレイヤーたちはプロアマ問わず呼吸をするように「3hat mutal」のオーダーを選択していました。mutalコントロールで稼いだ時間を使い十分なガスを確保、そのまま大量のlurkerで完封する戦術にTerranは成す術なく倒されていきました。
しかしグラフ後半でTerranが盛り返しているように、プロ人口の最も多いTerranユーザーたちは少しずつ順応していき、盛り返すことに成功しています。

2007年頭から春

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  • 新韓スターリーグ Season3 – マジェユン[sAviOr]優勝
  • GomTV MSL Season1 – キムテギョン[Bisu]優勝

LonginusやReverse Templeといった新マップでTerranは新たな活路を見出しました。1barrackから即2ndというオーダーが流行の最先端となり、mutaliskコントロールで壊滅しないだけのmarine medicsの数を揃えることができる、つまり中盤の安定に特化したオーダーへとシフトしていくこととなりました。資料によるとこの時期のTerranは公式戦でZerg戦71勝57敗(55.47%)という好成績を収めましたが、マジェユン[sAviOr]選手個人は14勝9敗(60.87%)と全盛期ほどではないにせよ高い勝率を維持しました。
これによって3hat mutalからlairの時期に圧倒するビルドは終わりを告げ、Zergは別の進化を遂げました。それが3gasから早期Hiveへと繋ぐオーダーです。

2007年春から夏

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  • Daum スターリーグ – キムジュニョン[GGPlay]優勝
  • GomTV MSL Season2 – キムテギョン[Bisu]優勝
  • 新韓銀行プロリーグ 2007 – Samsung KHAN 優勝

マジェユン[sAviOr]選手が率いた「3gas Hive」は圧倒的な威力を誇りマジェユン最強時代をより強固なものとしました。ミドルゲームを生き抜く術を得たTerranでしたが、反撃の狼煙をあげる頃にはdefilerが暇をもてあましている状態でした。
このオーダーと自らのプレイスタイルが素晴らしいほどにマッチングしたキムジュニョン[GGPlay]選手は、極端なほどにレイトゲーム特化されたオーダーで次々に勝ち上がりDaum スターリーグの優勝トロフィーを持ち帰った。しかし時を同じくして、イソンウン[firebathero]選手が見事なマップコントロールでマジェユン[sAviOr]選手のMSL準決勝進出を阻止するなど変化が起き始めていた。(グラフ後半でTerranが盛り返しています)

2007年夏から2008年春

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  • GomTV MSL Season3 – パクソンギュン[Mind]優勝
  • EVER スターリーグ 2007 – イジェドン[Jaedong]優勝
  • GomTV MSL Season4 – イジェドン[Jaedong]優勝
  • バッカス スターリーグ 2008 – イヨンホ[Flash]優勝

この時期に猛威を振るったのがUltraliskを活用するオーダーです。2007年後期に著しくTerranの勝率が低下していますが、これはこのオーダーによるものです。3gas Hiveのオーダーを生かすために中盤で少量のlurkerを出して安定させるのではなく、mutal+zerglingのコンビネーションで後半に繋いでしまおうという非常にリスキーなオーダー。しかし巧みなマイクロでMarine Medicの数を減らしてしまえば早期Hiveから送り出されるアップグレードUltraliskに対抗できるはずもなくTerranは記録的に低い勝率を記録してしまいます。さらにはBlue Stormのような上記のオーダーが通用しづらいマップにおいて、3hatではなく2hat mutalの有用性が見直されTerranの2ndにエンジンがかかる直前のタイミングで有効打をいれる戦術も流行、高度に洗練されたマイクロコントロールによって各選手ともに好んで使用した。
もちろんTerranはこれに黙っておらず、7前後のBarracksから中盤のパワープッシュに特化したオーダーへとシフト。2000年初頭から数年に渡って猛威を振るった「SK Terran」オーダーを彷彿させるこのビルドによって、lurkerを出さずして工面していたZergの早期Ultraオーダーは終焉を告げた。
この時期に世界を圧巻したイジェドン[Jaedong]選手とイヨンホ[Flash]選手はこれらトレンドに合ったオーダーを巧みに使い、マジェユン[sAviOr]選手の最強伝説に終止符を打ったキムテギョン[Bisu]選手とともに2009年現在のプロシーンを牛耳っている。

2008年春から2008年秋

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  • EVER スターリーグ 2008 – パクソンジュン[July]優勝
  • Incruit スターリーグ 2008 – ソンビョング[Stork]優勝
  • Arena MSL 2008 – パクジス[fOrGG]優勝
  • Clubday Online MSL 2008 – キムテギョン[Bisu]優勝
  • GomTV Intel Classic – イジェドン[Jaedong]優勝
  • 新韓銀行プロリーグ 2008 – Hwaseung Oz 優勝

ここまできてTerranがようやく盛り返した。33勝53敗(38.37%)という酷い公式勝率を記録したZergを見ても明白であろう。OthelloやTiamatといった比較的ディフェンスが容易なマップの影響もあるだろうが、個人的にはマクロベースで信じられないほど洗練されたオーダーの影響が大きいと感じます。2007年初頭に「3hat mutal」へのカウンターとして開発された1barrack即2ndは2009年現在でも一種の定石となっています。その後「3gas Hive」にも柔軟に対応したTerranに隙はないかと思われた。
古い型のオーダーとなるLurker先行型が試されたりと死力を尽くすZergに光を与えたのはイジェドン[Jaedong]選手でした。2008年夏、直前のArena MSL決勝でチームメイトのTerranパクジス[fOrGG]選手に完敗したのが逆に良かったのかもしれない。第3世代Terranとでも言うべきイヨンホ[Flash]選手に対して3:0という圧倒的スコアでGomTV優勝をイジェドン[Jaedong]選手が勝ち取りました。ここで使われたのは現行のマップでは通用しないと思われた「2hat mutal」のオーダーでした。プロが有用性を証明したことにより世界中のTerranプレイヤーの常識となった1barrack即2ndでは意図的にMarine Medicのタイミングをずらしている。もちろん対策はするがイジェドン[Jaedong]選手は異次元のマイクロコントロールで覆した。その後MedusaやDestinationなどのマップが公式採用されるにしたがって2hat mutalの威力は増し、Zergは息を吹き返した。

2008年秋から2009年春

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  • Batoo スターリーグ 2008 – イジェドン[Jaedong]優勝
  • Lost Saga MSL 2008 – パクチャンス[Luxury]優勝
  • 新韓銀行ウィナーズリーグ 08-09 – CJ Entus 優勝

その後勝率は安定すると見られたが2008年末にTerranが暴れた。チームメイトであり伝説のTerran使いイムヨファン[Boxer]選手とチェヨンソン[iloveoov]プレイングコーチの2人から新たな戦術をたくされたチョンミョンフン[fantasy]選手の登場である。彼が披露したZerg戦に特化したMechオーダーは出始めとは思えない圧倒的な完成度でこれまでの常識を覆した。これまでもZergに対するMechオーダーは存在していたが、これほどまでに洗練されたものは初めてでありバイオニックの代わりを務めるには十分なポテンシャルを秘めていた。valkyrieとアップグレードGoliathの投入は長らく脅威となっていたmutalマイクロを黙らせ、格安vultureでマルチハラスをすれば大抵のZergは「gg」を打つことしかできなかった。
対Mechに対してhydra+mutalというハイブリッドオーダーを組み上げたZergによってMech時代は短期で終わりを告げたが、メックバイオとして2009年夏現在のトレンドにも大きな影響を残している。その後、先人達が発掘したトレンドやビルドによって両種族間での勝率は安定し、50%前後をさまよっている。

まとめ

かなり長い記事ですが最後まで読んでいただきありがとうございます。そして何よりも「pgr21」にオリジナルのコラムを掲載したKim Yeon Woo氏に感謝したいと思います。これほどの資料が蓄積されていることに驚きましたが、英訳を全文読んで自分の言葉で書き直したら、3年間のうちのほんの一部、しかもこの間に黄金時代を経験しているProtoss抜きでもこれほど面白いものになってることに驚きです。StarCraftがなぜ10年以上も愛されているのか、なぜ他のe-sportsタイトルでは考えられない規模でスポーツとして成り立っているのか良く分かるんではないでしょうか。

リンク

pgr21 – オリジナルコラム(韓国語)
teamliquid.net – 英訳版

4 Comments

4 Comments

  1. nazomen

    2009年6月9日 at 2:53 AM

    翻訳(意訳)お疲れ様です。
    こういうのは見てるだけで面白いね。
    SCというゲームがいかにバランスよく作られてるかがわかるグラフになってる。
    プロリーグのゲームとかをしっかりと見出したのが最近だから一昔前の流れとかが見れたのも面白かった。

  2. タチバナ

    2009年6月9日 at 5:48 AM

    このレポートを掲載した人ってかなり面白い内容ばかり描くようですね。
    暇がありましたら自分が気に入った記事を
    和訳してみるの悪くないかも。
    「現代のZvsPのトレンド」って記事は
    ちょっと興味深い

  3. 匿名

    2009年6月9日 at 6:43 AM

    この前、某番組でプロネットゲーマーがSCやってるの見て懐かしく、検索してたらここに辿り着いたんですが。
    私達がPLAYしてたBLOODWARが発売される前後2年間なのですが、その頃はZが強かった印象が有りますね。
    Zのラッシュ力には・・・
    韓国人の仲間もいて、色々なPLAYスタイルを教えて貰った記憶が懐かしいです。
    今はPLAYしてませんが、ここの記事を読んでたら、また遊びたくなりましたね。

  4. 匿名

    2009年6月9日 at 10:43 PM

    1.07の頃にはウルトラやアービターとかは最終兵器(笑)などと言われてたしな。
    今じゃすっかり主流になってるわけで。
    本当に戦術が進化してるんだな。
    ザーグ同族戦で、無理なくデヴァワーに繋げる必殺のsugeoビルドをそろそろ披露してもいい頃じゃないかなw

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